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株価算定は、なぜ必要になるのか

株価算定が必要になるのは、なぜでしょうか。株価算定が、どのような場合に、なぜ必要になるのか、について、以下でご説明します。

株価算定の意義

株価算定の定義

株価算定とは、会社の株式の価値を算定することです。バリュエーション、企業価値評価という場合もありますが、同義です。

株価算定を依頼することの意義

株価算定を依頼することの意義としては、株価算定の専門家が、株価算定の結論である対象会社の株式の評価額だけではなく、どのような論理に基づいて、どのような評価手法を用いて、どのような計算を行ったかを記載した株価算定書を受領するところにあります。

株価算定書の定義

株価算定書とは、企業から独立した第三者の立場の専門家が、対象会社の株価の評価額、評価手法、計算過程を文書で示したものです。

株価算定を専門家へ依頼すれば、最終的には、①対象会社の概要、②株価算定の目的、③株価算定の基準日、④責任限定事項、⑤株価算定についての概要が記載された株価算定書を受領します。

このうち、⑤株価算定についての概要では、(1)株価算定の各手法の説明、⑵対象会社の経営状況、⑶株価算定で用いる手法の検討、⑷対象会社の株価の計算過程、⑸結論、が記載されます。

株価算定書のひな型 記載する項目と例

株価算定が必要となる場合

株価算定は、M&Aや事業承継の場合、増資する場合、相続税や贈与税を計算する場合など、様々な場合で必要となります。

会社の株式や事業の売買時の取引金額の決定、裁判で会社の株式や事業の価値を主張するときの金額の裏付け、税務処理や会計処理での評価額の計算などを目的として、株価算定が行われます。

株価算定が必要となる場合としては、評価の対象会社又は評価の対象会社の株主が、何らかの重要な局面を迎えていることが多く、下記のような例があります。

第三者割当増資で株価算定が必要となる場合

第三者割当増資とは、特定の第三者に対して株式を発行して増資することです。

非上場会社が、資金調達や業務提携等を目的として、第三者割当増資を行う場合があります。第三者割当増資によって、株主の構成比率が変わるだけではなく、新たな株主が引き受ける株価によっては既存の株主が保有する株式の価値が影響を受けることがあります。

新たな株主と既存の株主との間で不公平感が生じることを避けるために、第三者割当増資で新たな株主が引き受ける株価について、専門家による株価算定が必要となる場合があります。

親族間での株式譲渡で株価算定が必要となる場合

オーナー系の一族が経営する非上場会社の株式を、親族間で譲渡することがあります。親族間での話し合いで決めた譲渡価額で株式を譲渡した後、税務上の問題が懸念される場合があります。仮に、税務調査で譲渡価額が争点となる場合には、適正な金額で取引が行われたことを示した株価算定書を税務署側へ提示することで課税のリスクを回避できる場合があります。

親族間での非上場会社の株式の譲渡価額の妥当性、合理性について説明できるようにするため、専門家による株価算定が必要となる場合があります。

裁判で株価算定が必要となる場合

非上場会社の株価が争点になり、株式の売り手と買い手の協議で話がまとまらず、弁護士や法律事務所が関与し、裁判になることがあります。こうした場合、売り手及び買い手の弁護人、裁判所など複数の関与者が検討するために株価算定書が必要です。株価算定書には、対象会社の評価額だけではなく、対象会社の評価の概要、選択した評価方法の合理性、計算過程を記載します。

売り手、買い手の当事者自身が主張する論理と結論を整理して文書にするために、専門家による株価算定が必要となる場合があります。

M&Aでの株式譲渡で株価算定が必要となる場合

M&Aでは、特に重要な案件をはじめとして、対象会社の株価はどのような論理や評価手法に基づいているのか、専門家が対象会社の公正な株価を記載した文書を入手したかどうか、が重視されます。

企業がM&Aで会社を譲渡又は譲受するには、譲渡側においても譲受側においても、M&Aの交渉の段階や企業内部での協議検討に利用する目的で、専門家から提示された株価算定書を必要とする場合があります。

M&Aの条件交渉の際に、自社が主張する金額の根拠として、専門家による株価算定が必要となる場合があります。また、M&A案件を企業内部で検討する際に、社内会議や社内稟議での検討用の資料として、専門家による株価算定が必要となる場合があります。

TOB(株式公開買付)で株価算定が必要となる場合

TOB(株式公開買付)とは、証券取引所を介さずに、買付期間、買付価格、買付予定株式数等を公表して不特定多数の株主から直接株式を買い取ることです。

上場会社の株式を大量に買収して経営権を獲得するための手段として、TOB(株式公開買付)が利用されることがあります。上場会社の株式の価値は証券市場の株価で示されていますが、TOB(株式公開買付)で買収する場合は、一般的には、証券市場の株価とは異なる金額で売買取引が行われます。買い手側は、幾分か高い金額を支払ってでも買収したい場合には、証券市場の株価にプレミアムを上乗せして、証券市場の株価よりも高めの金額で買付価格を設定します。

TOB(株式公開買付)の買付価格の設定の際に、専門家による株価算定が必要となる場合があります。

相続や贈与の関係で非上場会社の株価算定が必要となる場合

相続税及び贈与税の申告・納付のために非上場会社の株価算定を行う場合があります。当面の申告・納付ではなくても、将来の申告・納付を想定して非上場会社の評価額を把握するために非上場会社の株価算定を行う場合があります。

財産評価基本通達に沿った相続税・贈与税の申告書作成・納付及び準備等を目的として、専門家による株価算定が必要となる場合があります。

非上場会社の少数株主から支配株主が株式を買い取る時に株価算定が必要となる場合

少数株主が支配株主に対して非上場会社の株式の買い取りを依頼する場合、基本的には株価は双方の交渉を経て決まります。売り手側の少数株主と買い手側の支配株主の双方の主張する株価に隔たりが生じることがあります。

売り手側と買い手側の交渉を容易に進めるために公正な評価額を出すことを主な目的として、専門家による株価算定が必要となる場合があります。

株価算定が、なぜ必要になるのか

株価算定は、評価の対象となる会社又は株主が、何らかの重要な局面を迎えている場合に必要となります。株価算定が必要となる理由は、下記の通りです。

株価算定の専門性を背景として、専門家へ株価算定を依頼することが必要

株価算定は、単に数字を計算式に入れて機械的な計算をすれば答えが出るというものではありません。株価算定の案件ごとに、株価算定が必要とされる目的や背景が異なるばかりか、評価の対象会社の経営状況や特性も異なります。株価算定には複数の評価方法があり、この中から株価算定の案件について適切な評価方法を選択し、なぜその評価方法を選択したのか合理性を説明することが必要です。また、株価算定書として文書で提示するにあたり、対象会社の評価額、選択した評価方法とその合理性、計算過程、株価の結論を記載します。

株価算定は実際のところは相当の専門知識、ノウハウが無ければできないので、専門家へ株価算定を依頼することが必要となります。

対象会社の株価の説明目的を背景として、専門家へ株価算定を依頼することが必要

株価算定を検討する時点では、多くの場合、評価の対象となる会社又は株主は何らかの重要な局面を迎えています。重要な局面において、対象会社の株価の評価額だけではなく、どのような専門家が、どのような論理に基づいて、どのような評価手法で、どのような計算を行ったのかを文書で整理することによって、対象会社の株価について関係者に説明できるようにすべきです。

株価算定の後に何らかの思わぬ問題が生じてしまうことを避けるためにも、専門家へ株価算定を依頼することが必要となります。

まとめ

株価算定が、どのような場合に、なぜ必要になるのか、についてのご説明でした。

株価算定が必要となるのは様々な場合がありますが、多くの場合、評価の対象会社又は評価の対象会社の株主が何らかの重要な局面を迎えています。

株価算定自体、複雑で専門性が高いものですが、株価算定の論理や評価手法も含めて関係者に説明できるようにすべきという場合には株価算定が必要ですし、文書で株価算定書を受領することに意義があります。

株価算定は複雑で専門性が高いので、疑問点などございましたら弊社までご相談ください。

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