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同族会社の株式を親族間で売買する際に株価算定を依頼する場合

同族会社の株式を親族間で売買する際の譲渡価額については、税務上の問題が生じないかどうか留意が必要です。専門家に株価算定を依頼して、譲渡価額の妥当性や合理性を説明できるようにするために、専門家に株価算定を依頼する場合があります。概略を下記でご説明いたします。

同族会社の株式を親族間で売買する際に株価算定を専門家へ依頼する背景

例えば、非上場の同族会社の株式を親族間で売買する時に、譲渡価額の妥当性が問題になる場合があります。

上場会社なら証券市場の相場で株価が示されていますが、このような非上場会社の場合には、対象会社の企業価値を評価した株価算定書の提示を専門家に依頼します。

同族会社の株式を親族間で売買する際になぜ株価算定が必要になるのか

親族間で非上場会社の株式を売買する時に、税務署が有利な価額で取引を行った低額譲渡と認定すれば、譲渡価額と時価の差額について税金が課せられる可能性があります。

低額譲渡とは、対象会社の株式の時価の2分の1に満たず著しく低い金額で譲渡することです。

仮に税務調査で低額譲渡と認定されれば、売り手側は時価と譲渡価額の差額を譲渡損失と認められず、その案件の状況により贈与税、法人税、所得税などが課せられる可能性があります。

不特定多数の当事者間取引を前提とした第三者間での取引で成立した譲渡価額であれば、普通は税法上の時価となるので低額譲渡が問題になることがありません。この点は、財産評価基本通達 1評価の原則 (2)時価の意義 に示されています。

しかし、親族間での取引ならば譲渡価額を自由に決めれる余地があるので、税金を意図的に操作する目的で、時価と異なる金額で取引したわけではない、と説明できるようにしておくことが必要です。

非上場会社の株式を売買する際には、税務調査を受けた時に、譲渡価額の妥当性や合理性についてどのように説明するか、を想定しておくことが望ましいと言えます。

よって、専門家が対象会社の公正な株価を記載した株価算定書が必要になります。

同族会社の株式を親族間で売買する際にどのような株価算定書が必要か

株価算定書は、株価算定の専門家が、企業から独立した第三者の立場から、対象会社の株価の評価額、評価手法、計算過程について記載した文書です。

株価算定は、案件によって、対象会社の経営状況も株価算定を必要とする背景も異なりますが、株価算定書の記載項目はある程度定型化されます。

下記の項目が記載されている株価算定書を入手することが必要です。。

  • 対象会社の概要(会社の商号、事業内容、役員、株主)
  • 株価算定の目的
  • 株価算定の基準日
  • 責任限定事項
  • 株価算定についての概要(株価算定の各手法の説明、対象会社の経営状況、株価算定で用いる手法の検討、対象会社の株価の計算過程、結論すなわち1株当たりの評価額)

同族会社の株式を親族間で売買する際の株価算定の報酬

株価算定の報酬は、案件によっても、また依頼先によってもある程度の開きがあり、数十万円の場合もあれば数百万円の場合もあります。

株価算定の料金は、株価算定の目的、対象企業の状況や特性、計算の複雑性などによって異なるので一概に言いきれないものですが、弊社では、評価対象が年商10億円以下の中小企業の場合で、50~100万円(消費税別)を目安としています。

同族会社の株式を親族間で売買する際の株価算定について概略を相談する場合

株価算定を専門家へ依頼することを検討する際、事前に株価算定の過程や結果を可能な限り把握しておきたい、という場合があります。

仮に、株価算定を依頼すれば、対象会社をどのような評価手法を選択して、最終の評価額がいくらになるのか、など、ある程度株価算定の方向性や結果の概略を知っておきたいという場合です。

弊社では、事前に問合せいただければ、可能な範囲で回答します。株価算定を必要とする理由や案件の背景の他に、対象会社の経営状況をお聞かせいただければ、どのような評価手法で、評価額がどう算定されるのか、また、必要な資料や納期についても、可能な範囲でご説明いたします。

同族会社の株式を親族間で売買する際どのようなところに株価算定を依頼すべきか

株価算定を依頼する場合は、公認会計士と税理士の資格を保有しており、株価算定の専門知識やノウハウを保持している専門家に依頼すべきです。

株価算定には複数の評価手法があり、案件に特有の背景事情や、評価対象会社の経営状況を勘案したうえで、適切な手法を選択して計算過程と最終結論を文書化します。株価算定は、定められた計算式に数字をあてはめれば簡単に出来るというわけでなく、専門知識やノウハウがないと出来ません。

公認会計士と税理士の資格と、株価算定の専門知識やノウハウを保有している専門家に依頼し、重大な失敗が起こらないようにすべきです。

まとめ

非上場の同族会社の株式を親族間で売買する時には、譲渡価額の妥当性が問題となる場合があります。

専門家へ株価算定を依頼し、仮に税務調査を受けることがあっても、譲渡価額の妥当性や合理性について説明できるようにしておくことは検討すべきです。

公認会計士と税理士の資格と、株価算定の専門知識やノウハウを持った専門家に株価算定を依頼して、対象会社の株価の評価額、評価手法、計算過程を記載した株価算定書を文書で入手することをご検討ください。

株価算定は複雑で専門性が高いので、疑問点などございましたら弊社までご相談ください。

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