株価算定の業務に資格は必要なのでしょうか。「株価算定士」という資格があるのでしょうか。株価算定は誰に依頼すればよいでしょうか。下記でご説明いたします。
株価算定は資格がなくてもできるのかどうか
現在、株価算定は特に資格がなくてもできる業務となっています。
株価算定が必要となるのは、M&A、事業承継、増資などの重要な局面で、取引金額は大きくなることが多いです。株価算定は複雑で専門性が高く、請ける側の資質や信頼性も問われますので、資格を必要とすべきではないかという話もあるのですが、現在のところは資格制度の導入には至っておりません。
株価算定に関連する資格について
一般的に、資格は大きく分けると、国家資格、公的資格、民間資格の3つに区分されます。
株価算定に関係がありそうな資格となれば、国家資格では「公認会計士」と「税理士」が該当すると思われます。実際に弊社でも株価算定に対応しておりますが、公認会計士、税理士の資格保有者です。実際の所、公的資格及び民間資格として、「株価算定士」という資格は聞いたことがありません。
企業の純資産や利益や経営など実態を評価するということでは、「公認会計士」が適していると考えられますし、日本公認会計士協会からは経営研究調査会研究報告第32号「企業価値評価ガイドライン」が公表されています。
税理士は、税務の専門家として、財産評価基本通達に沿った相続税・贈与税の計算を目的とした株価算定を行います。
誰が株価算定をやるべきか、誰に依頼するべきか
株価算定は、銀行や証券会社などの金融機関、コンサルティング会社、公認会計士、税理士などが請けていることが多いのではないかと思います。
資格の保有者であれば、個々人である程度の開きはあるかとも思いますが、その資格に応じた、専門的な分野への理解や精通のレベル、責任、信用など、一定の信頼性は有るかと考えられます。
また、資格だけではなく、株価算定についての経験やノウハウも考慮すべきかと考えられます。対象会社の経営の実態を把握したうえで、また、相続税贈与税についてもふまえたうえで、株価算定の業務に対応できるかどうか、ということです。
公認会計士と税理士の資格を登録があり、実務経験やノウハウを持っているところが良いのではないかと思われます。
まとめ
株価算定の業務に資格は絶対要件ではないにしても、公認会計士、税理士の資格を保有しており、経営の実態や税務上の課題も勘案した株価算定を行えるところに依頼するのが良いのではないでしょうか。「株価算定士」という資格は聞いたことがありません。なお、資格だけに限るわけではなく、業務として適切に対応してもらえそうなところが良いかとも思います。
M&Aや事業承継、株価に関する裁判や係争問題、経営戦略の検討など、重要な場面で株価算定が行われることがあります。株価算定は複雑で専門性が高いので、疑問点などございましたら弊社までご相談ください。
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