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株価算定の方法~配当還元方式(国税庁)について

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相続、贈与のときの非上場株式の評価のルールは、国税庁の財産評価基本通達で定められています。財産評価基本通達では、評価対象会社の規模や株主の状況によって、類似業種比準価額方式、純資産価額方式、配当還元方式の3つが定められています。

配当還元方式は、どのような評価方法で、どのような特徴があるのでしょうか。実際の詳細な計算や通達の解釈では多くの複雑な部分がありますが、ここではある程度簡素にご説明いたします。

配当還元方式とは

国税庁の財産評価基本通達では、相続、贈与のときに同族株主以外の株主が取得した株式を評価する場合の特例的評価方式として、配当還元方式を定めています。

配当還元方式とは、過去2年間の配当金額を10%で還元して元本である株式の価額を評価する方法です。概ね、10年分の配当金額が評価額となります。

配当還元方式による計算について

計算式

 1株当たり評価額 = (1株当たりの年配当金額/10%) × (1株当たりの資本金等の額/50円) 

「1株当たりの年配当金額」直近2期の配当の平均値

「1株当たりの資本金等の額」資本金の額と資本剰余金額の合計額

配当が無い場合

配当が無い場合は、上記の計算式に当てはめて評価額をゼロとするのではなく、1株当たりの年配当金額を2円50銭として計算します。この結果、額面(資本金等の額)の半分で評価することになります。

非経常的な配当の場合

特別配当や記念配当のように一時的な配当は、上記の計算式の1株当たりの年配当金額には含めずに計算します。

原則的評価方式よりも評価額が高くなる場合

配当還元方式による評価額が、原則的評価方式(類似業種比準方式及び純資産価額方式)による評価額よりも高くなる場合は、原則的評価方式による低い評価額を適用します。

配当還元方式の特徴

  • 配当還元方式は、相続税、贈与税を計算するための評価方法です。対象会社の配当金に着眼した計算方法であって、対象会社の実態を勘案した企業評価ではないため、この方式を税金計算以外の他の目的で利用することは理論的ではない場合があります。
  • 被相続人が少数株主である場合に限って利用される評価方法であり、少数株主が非上場株式を取得しても経営に関与せず配当を受け取れるくらいしか価値が無い場合を想定しています。
  • 原則的評価方式である類似業種比準価額方式及び純資産価額方式と比較して、計算が簡便です。
  • 原則的評価方式である類似業種比準価額方式及び純資産価額方式と比較して、株式の評価額が低くなる傾向にあります。

まとめ

配当還元方式は、財産評価基本通達に定められた税金計算のための評価方法です。配当還元方式は、計算が簡便で、概ね10年分の配当金額が評価額になるのですが、配当金だけに着眼したある面で簡易な評価方法であり、対象会社の実態と乖離した評価結果になることが多く、企業評価という面では理論的ではありません。例えば、十分な利益を稼いでおり、豊富な剰余金を蓄積している優良企業であっても、配当をしていなければ評価額がかなり低くなってしまいます。

株価算定は複雑で専門性が高いので、疑問点などございましたらご相談ください。

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